
※画像は支笏湖のヒメマス。地元では「チップ」と呼ばれています。
『鮭は白身魚?』
北海道で魚といえば「鮭」を真っ先に思い浮かべるひとが多いのではないでしょうか。
産卵のため、生まれ故郷の川に命をかけて戻ってきます。
川を遡る生命力は海を回遊しているときに、強い抗酸化作用と抗炎症作用を持つ「赤い色素の藻」を食べて筋肉に蓄えるから。。
その赤い色こそ、サプリメントや化粧品に使われているアスタキサンチンです。
鮭はもとは白い魚なのに、藻の赤い色が全身に行き渡って赤い魚になっているのです。
『鱒も鮭も一緒?』
「鱒は川や湖などの淡水で一生を終える、鮭は海に出てまた戻ってくる」と思っていましたが、そんなに単純ではないようです。
私たち日本人が食べる回遊の天然鮭はシロザケ・キングサーモン・ギンザケ・ベニザケ・カラフトマス・サクラマスの6種類なんだそう。
マスでも海を回遊するんですね!
主にシロザケは、産卵期の秋に戻ってくる「アキアジ」、春などの時期にずれると「トキシラズ」、産卵前は「メジカ」、産卵を終えて栄養も味も落ちた「ホッチャレ」、ロシア生まれの迷子「ケイジ」など市場ではいろんな通称名で呼ばれます。
他には淡水のニジマスやイトウやイワナもサケ科に属するそうです。
養殖のアトランティックサーモン(天然もあります)、チリ産(南半球にはもともと鮭はいない)は、アニサキス寄生虫による食中毒の心配がないので刺身で食べることができます。
北海道では食中毒を避けるため、天然の鮭を2日間以上冷凍させてから、解凍させず刺身にして食べる「ルイベ」という郷土料理があります。
最近では、居酒屋でも養殖のサーモンばかりになって、ルイベを置いているところは少なくなりました。
『ピンクサーモンって?』
前置きが長くなりました。
ピンクサーモンはサケ缶に加工されることが多く、和名は「カラフトマス」。
スーパーでは「アオマス」と表記されています。
春から夏にかけて北海道ではスーパーで出回りますが、他の地域では見かけない鮭です。
同じマスと呼ばれる鮭の中で「サクラマス」は高級魚の扱いなのに、「アオマス」は見劣りする気がします。
かくいう我が家でも紅鮭や刺身サーモンに比べると、そんなに喜ばれません(笑)
比較的安価なアオマス=ピンクサーモンも立派な天然ものの鮭です。
オホーツクサーモンと呼ばれるブランドもあります。
鮭は中性脂肪を減らす作用もあり、EPAやDHAが豊富。
海を回遊するので養殖と違い、アスタキサンチンがたっぷり含まれているアンチエイジングフードです。
アスタキサンチンはビタミンCの6000倍もの抗酸化作用があるそうです。
元気の源「ミトコンドリア」の機能を守る作用もあり、息切れしない毎日に積極的に摂りたい成分です。
ラサンテミニヨンの整体には食べてからだを整える食養という考え方があります。
「鮭」は最も上位の食養品にあたります。
「おなかを温め、気力活力を養う」とされています。
消化しやすく、良質のタンパク質が摂れるとあって、病中病後、食欲不振に。
胃腸の調子が良くないときや大腸検査の前も白身魚である鮭は食べてもかまわないのです。
大腸検査の前は食物繊維のある野菜はがダメなので、大根やジャガイモと一緒に味噌汁に入れて「石狩鍋」風で食べるといいと思います。
『食べるなら今でしょう』
ピンクサーモンは産卵前の春が脂がのっておいしい季節。
まさに今でしょう!
身は薄いけれど、ちゃんちゃん焼きやチーズ焼き、フライ、ムニエルはおいしいですし、ジャガイモと一緒にコロッケにすると白ワインやビールにあいます。
私も冷蔵庫のチルドにピンクサーモンが待機しています。
今夜、ムニエルにします。